啓発情報誌 ス・テ・キ

ス・テ・キvol.3
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「波丸紋散鎧」
「波丸紋散鎧」

前田育徳会所蔵 金沢城絵図「堂形の御細工所」
前田育徳会所蔵 金沢城絵図
「堂形の御細工所」


金沢の風土が育んだ伝統工芸の数々に、想いを寄せて
 

金沢伝統工芸いまむかし
御細工所(おさいくしょ)と百工比照(ひゃっこうひしょう)
 工芸技術の奨励、振興に心を砕いた加賀藩五代藩主、前田綱紀は元禄元年(一六八八年)、諸国の名工を招き、それまでの武具や武器の補修修理にあたっていた「御細工所」を、さらに調度品の製作を行う場として整備・拡充しました。
 また、綱紀は全国から著名な学者や芸術家を招き、加賀百万石に学術、美術の花を咲かせました。今日の工芸美術王国としての石川県の礎は、綱紀の時代に築かれたと言っても過言ではありません。
 御細工所では優れた技能を持つ技術者や職人を町人からも登用し、蒔絵・漆工芸・象嵌・刀鍛冶など二十四の職に分けて、大名調度などを製作させていました。
 さらに綱紀は全国各地から優れた工芸品を多数収集するとともに、その分類にも熱心でした。それが現在、前田育徳会尊經閣文庫に残る一大工芸コレクション「百工比照」です。「百工」とは諸種の工芸、「比照」とは比較対照を指し、日本近世の工芸技術研究に欠かせない貴重な資料となっています。
 現在の石川県でも、歴代藩主が美術工芸を推奨してきた歴史が受け継がれ、数々の伝統工芸・文化が暮らしの中に息づいています。


Vol.3(平成16年1月 発行)
  ■特集 伝統工芸が彩る
  「金沢 冬の旅情」

   金沢の伝統工芸品紹介
  加賀友禅 生きとし生けるものの、鮮やかな色を
金沢九谷 伝統の金沢九谷が見せる、新しい顔
金沢仏壇 華燭の日を見守る、荘厳な輝き
金沢箔 現代の室礼に華を添える、金箔の煌き
金沢漆器 ハレの日を彩る、加賀蒔絵の麗容
加賀繍 加賀繍と加賀友禅の出会いが生む新たな工芸の世界
希少伝統工芸
  琴  芸どころ金沢に息づく音の文化
  象嵌 今を彩る、百万石の装飾美

   金沢伝統工芸ショップガイド
  お気に入りの逸品を選ぶ時間をゆっくり、楽しむ旅の折に訪れたい、伝統工芸のショップガイド