「雲海」
「四季の譜(うた)」
「雲海」
左:「木菟(みみずく)」
右:「カワセミ」 |
Zougan
今を彩る、百万石の装飾美。
天下泰平の江戸時代は、鎧や兜、刀などの武具も実用性より装飾性が重んじられた時代。加賀象嵌はこうした時代を背景に発達した彫金技術で、鉄・銅などの地金表面にたがねで模様を彫り、金・銀など異種類の金属の嵌め込んでいくものです。色彩の異なる金属を重ねた華麗な「鎧象嵌」に特色があり、象嵌部分が容易に脱落しない堅牢な平象嵌の技法として知られています。かつて武士の装いを彩った繊細な技は、今やアクセサリーやステーショナリー、インテリア小物を飾り、あるいは地金を壁材とした壁面装飾となり、現代の暮らしを彩っています。
中川
衛 氏●なかがわ まもる |
金沢美術工芸大学卒業後、江戸時代の名品「金銀象嵌
水引の図鐙」に出会ったことから、二十九歳で加賀象嵌の高橋介州氏の門を叩く。平成十五年は日本伝統工芸展五十年記念展「わざの美」に出展した他、日本伝統工芸展日本工芸会保持者賞受賞、北国文化賞受賞など活躍。金沢美術工芸大学教授を務めて後進の育成にも尽力している。 |
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