伝統工芸士 友禅作家・東藤 岳
東藤 岳(とうどう がく) 昭和12年石川郡鳥越村生まれ。昭和30年日展作家、成竹登茂男氏に師事。昭和44年に独立し、その後全国各地で実演販売を開始する。平成7年伝統工芸士に認定、平成13年加賀友禅振興協会理事。その他受賞多数。 |
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「人のご縁に支えられて今までやってこれたんですよ」と語る東藤さんは、友禅作家の最長老。高校卒業目前、就職先の決まらないことを案じた兄から知人を介して、成竹登茂男氏を紹介され、門下に入ったのがこの道の始まりだった。 訪問着 牡丹 辛い修行の日々に、一旦は道を投げ出そうとしたこともあったが、友人の「恩に背いたらいかん」との一言に奮起し、以来一心に筆を取ってきた。鍛錬を強いた恩師が繰り返したのは着物は着てもらって始めて意味があるということ。ゆえに氏は今なお、「自己満足に終わる作品は残さない」と自らを戒める。友禅の中でも、とりわけ繊細な風情を映す。この『牡丹』は、風景を一旦自分の中に取り込んで、図案化したもの。色数を絞り白地と濃淡を生かしたところが高い評価に繋がっている。絵羽に描かれた可憐な花々は、着る人をいっそう輝かせることだろう。 |
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