ブックタイトルステキ Vol.17
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ステキ Vol.17
15 s u t e k i仏壇七職が生きる金沢仏壇 金沢仏壇の特徴は、彫刻と蒔絵をふんだんに使った豪華絢爛な装飾です。 彫刻は、前ま え指ざ し(欄間)や障子の上部など木肌を見せる「木地彫り」と、のちに金箔に覆われる彫刻をつくる「箔彫り」があり、つくり方も職人も異なります。木地彫師は、一枚板に彫刻を施していき、彫刻が立体的に重なる前指(欄間)は、緻密な細工による一枚の板の造形芸術。反対に箔彫師は、天女、雲などの細かいパーツをいくつもつくり、それらを最後に組み立てて仕上げていきます。 もう一つの特徴は蒔絵。扉の内側や柱など随所に豪華な蒔絵が施され、なかでも立体的な「高蒔絵」が特徴。漆と金の技法を駆使した蒔絵師が、丹念に緻密な作業で仕上げていきます。 そのほか仏壇の枠組みとなる木の部品をつくる木地師、仏壇内部の屋根部分である宮殿をつくる宮殿師、塗りを施す塗師、金具職人がおり、金沢仏壇を製造するには七種の職人が必要です。七つの力が巧みに合わさって、金沢仏壇の放つ華麗さが生み出されるのです。そして、金沢は今も七職人がそろい、活動する貴重な仏壇の産地なのです。職人の技が息づくモダン仏壇 現在は、生活の洋風化や住宅事情に合わせた高さ40センチ程の小型仏壇づくりにも力を入れています。扉には金具が少なく、閉じると他のインテリアと調和するようなシンプルなデザインが人気。シンプルな外観は、品のある黒塗りの光沢がより強調され、塗師はより繊細な作業に心を尽くしています。 また、コンパクトになっていく図柄の中に、蒔絵の華やかさがアクセントとなって新感覚を吹き込み、金沢ならではの伝統技法がしっかりと活かされています。興味を広げて、金箔のまちの仏壇づくりを訪ねる金沢仏壇20号 飛翔鳳凰蒔絵図(株)池田大佛堂幅68.5 ×奥行62 ×高さ178cm鳳凰の蒔絵や、油煙抜きの欄間部分など随所に螺鈿をちりばめ、伝統技術の中に新しい感覚を取り入れた仏壇です。1.彫刻を思わせる立体感を放つ高蒔絵。 2.一枚板から造られる前指(欄間)。 3.細かな部品が組み合わさる宮殿。仏壇仏具には、金沢箔の約80%が使用されています。金沢には、塗りや蒔絵、金工など伝統工芸の技が結集した「金沢仏壇」というブランドがあり、その特徴と、現代の生活様式に合った仏壇づくりをうかがいに行きました。ミニ仏壇(株)米永仏壇幅47 ×奥行38 ×高さ74.5cm蒔絵は折り鶴を描き、金箔は純金五毛色を使用し三重に貼っています。箔絵厨子仏壇 遠山桜(株)池田大佛堂幅43 ×奥行37.5 ×高さ56cm正面と左右の板が一体となった箔絵を施しています。1 2 3取材協力/(株)池田大佛堂 P23 B-2金沢仏壇