ブックタイトルステキ Vol.16

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概要

ステキ Vol.16

洗練されたフォルムと蒔絵などの美しさが特徴的な金沢漆器。お椀や銘々皿のように日常使いのものから、宝石入れになるような小箱、お重やワイングラスまで、多種多様な漆器が揃う(撮影協力:能作)金箔ペーパーウェイト(今井金箔)「半塗夫婦箸セット」(金箔工芸田じま)金箔の桜が散りばめられた「黄金のロックグラス」と「日本酒用杯クリスタル」(金箔工芸田じま)黄金パック用フェイスシート「ネフェルティ・黄金フェイスシート24K」と目元用金箔シート「ネフェルティ・アイ」(かなざわカタニ)北陸新幹線や鼓門題材に漆で?新金沢八景?金沢漆器の歴史は、美術工芸の振興に力を入れた加賀藩三代藩主・前田利常が、桃山文化を代表する高台寺蒔絵の巨匠・五十嵐道甫を京から指導者として招いたことに始まる。その後、貴族文化の優美さに武家文化の力強さが加わった独特の漆工芸の基礎が確立されていった。金沢漆器は現在も室内調度品や茶道具を中心に一品制作でつくられている。工程は大きく分けて、指物・曲物・挽物などの手法で形状を整える「木地」、漆器の強さや塗りの美しさを高める「下地・布着せ」、漆を塗っては研ぐ作業を繰り返す「塗り・研ぎ」、蒔絵などの技法で素地に模様を施す「加飾」の四段階がある。中でも金沢漆器の最大の特徴は「加賀蒔絵」と呼ばれる繊細で華麗な加飾にある。複雑な工程を経て丁寧に制作される金沢漆器だが、その美しさからは思い及ばないほどの堅牢さも併せ持ち、ほんのひと手間かけて手入れをすれば長く使うことができる。使うほどに艶が増し、味わい深くなっていくのも魅力だ。金沢漆器金沢伝統工芸の技19 s u t e k i