ブックタイトルステキ Vol.16
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ステキ Vol.16
扉の中に、美術工芸品としての華麗な伝統技法が凝縮されている金沢仏壇(撮影協力:香屋)金沢仏壇商工業協同組合 仏具委員会が、漆塗り、蒔絵、彫刻、金具の伝統技法を取り入れて制作した、現代の生活に対応した新デザイン仏具「三みつぐそく具足」。香炉・花立・火立は小型の仏壇に入るサイズとなっている様にお供えしているの。仏様の脇にはおじいちゃんやご先祖様がいて、あなたたちをいつも見守ってくれているのよ。だから手を合わせてお祈りしようね」。弟はちょっと不思議そうにしていたけれど、ウンとうなずいて手を合わせた。私はそんなこともう知っているよというふりをしたけど、本当は初めて聞いた。ここは家族が揃う大切な場所なんだね、私にとって、すごく大切な宝物を発見できた気がした。北陸新幹線や鼓門題材に漆で?新金沢八景?金沢で本格的に仏壇がつくられるようになったのは、加賀御細工所を整備した加賀藩三代藩主・前田利常の時代からである。その背景には、蓮如上人の布教活動により庶民の間に深く浄土真宗の根が下ろされており、仏壇の需要がきわめて高かったということがある。やがて御細工所の流れを汲む職人が町に住むようになり、木地、宮殿、木地彫り、箔彫り、塗り、蒔絵、金具の「七職」による完全分業体制で仏壇が制作されるようになった。金沢仏壇は、全国的にも有名で、ホゾで組み立てているために修理もしやすく、上品な蒔絵、木地を生かした一枚板の彫刻、表面を磨きあげる呂ろ い色ろ仕上げ、手打ちの金具などの豪華な仕上がりが特徴で工芸品の集大成とも言える。最近では生活様式の変化を受け、小型でシンプルな仏壇も登場している。金沢仏壇金沢伝統工芸の技17 s u t e k i