ブックタイトルステキ Vol.16
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ステキ Vol.16
つなぐ物語夫婦伝統工芸は先人の知恵を受け継ぎ、それを守るだけでなく、さらに技術に磨きをかけて、現代の生活にマッチするものに進化していた。「数百年の歴史の積み重ねを日常的に用いられるというのは、ありがたいことだね」私の言葉に妻もうなずいた。「身近に工芸品を使うことで、金沢の魅力も再発見できそうね」こうして日々の暮らしに欠かせなくなった金沢の伝統工芸品は、私たち夫婦の人生を豊かに彩っている。北陸新幹線や鼓門題材に漆で?新金沢八景?江戸時代、金箔、銀箔の生産は徳川幕府の箔打ち禁止令によって江戸、京都以外の土地で厳しく禁じられた。しかし加賀藩では御細工所を中心に箔の打ち立てが密かに続けられていく。その後、明治時代になって禁止令が解かれると、金沢の気候や水質の良さ、箔打ち技術の高さによる品質などが認められ、全国的にその名を轟かす。美しい光を放つ金沢箔は美術工芸品に生かされ、加金沢箔金沢伝統工芸の技賀百万石の文化を支えていくのである。金箔づくりは、純金に微量の銀と銅を合金し、多くの工程を経て金属を極限まで薄く延ばしていく。その厚さは、1万分の1ミリともいわれている。現在では全国生産高のうち金箔は98%以上、銀箔・洋箔においては100%が金沢産のものとなっている。 金沢箔は仏壇、漆器などの工芸品のみならず、食品、化粧品など幅広く使われるようになったほか、建築物のインテリアなど、新しい表現力を広げる素材の一つとしての需要も高まっている。桐の原木か「まんまる夏伝統的技法の盛絵具で白鷺が描かれた金沢九谷「白鷺花瓶」(北山堂)箔の新たな可能性を追求し生まれた磁器「箔磁 耀きぼう房」。純金プラチナ箔永遠色の独特の風合いと陰影のある造形が美しい表情を創りだしている(箔座)三15 s u t e k i