ブックタイトルステキ Vol.16
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ステキ Vol.16
りません。金沢では桃の節句の時期になると、雛人形とともに加賀手まりも飾られます。加賀手まりは、幼くして加賀藩前田家に嫁いだ三代藩主・前田利常の正室、珠姫が花嫁道具の一つとして持参したことがルーツとか。加賀藩前田家には数多くの雛人形・雛道具も伝わっています。雛人形や加賀手まりには、長年にわたって受け継いできた大名夫人たちの思いが込められているのですね。金沢漆子どもサイズのかわいい九谷焼お食い初めお膳(九谷焼諸江屋) 器ならではの気品漂う「加賀蒔絵立雛」(能作)古くは子どもの玩具でもあった「加賀手まり」(金沢・クラフト広坂)つなぐ物語誕生北陸新幹線や鼓門題材に漆で?新金沢八景? 金沢九谷は文化3(1806)年、約150年前に廃窯となっていた古九谷窯に代わり、九谷焼を再興しようと加賀藩が京都の名工・青木木もくべい米を招き、翌年、卯辰山山麓に春日山窯を開いて九谷焼を再興したことに始まる。木米は古九谷に使われていた土と金沢の土を調合して、豪華絢けんらん爛な新しい金沢九谷を作り上げた。明治以後は国内外の博覧会に積極的に出品。その華麗な豪華さが海外で人気を博し、「ジャパンクタニ」の名前で輸出され、金沢九谷金沢伝統工芸の技世界的に知られるところとなる。金沢九谷の特徴は「呉ご須す」と呼ばれる藍青色で線描きし、「五彩」と呼ばれる赤・黄・緑・紫・紺青の5色の絵の具を厚く盛り上げて塗る彩法である。絵柄は山水、花鳥など絵画的で大胆な上絵付けがなされており、力強い印象を与える。九谷焼の魅力である鮮やかな絵柄は時代とともに次々と新しいデザインが生まれ、今日ではそれらのデザインをもとに、多くの作家が活躍している。近年は洋風のダイニングに合わせた食器も人気が高く、使い手を意識した形や色、用途など、現代に合った金沢九谷が登場している。二11 s u t e k i